【式根島】山海の湯(ふなりっとの湯)は野趣あふれる温泉!海辺の秘湯体験<前編>

【式根島】山海の湯(ふなりっとの湯)は野趣あふれる温泉!海辺の秘湯体験<前編> 東京23区外
当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

 2025年8月25日、僕は友人に案内してもらって式根島の温泉を巡った。

 友人から事前に「温泉では海パン着用」と教えてもらっていたので、「一般的な温泉とは違うのかな?」とは思っていた。しかし、予想の斜め上を行く温泉体験をすることになるとは……。

※以下の写真は、2025年8月26日の早朝に散歩した際に撮影した。

 シャワーやトイレの前を歩いていくと、すぐに松が下雅湯がある。海が見える露天風呂で、ここに入ったら気持ちよさそうだが、友人はスルーして先へ進んで行く。

 ちなみに、松が下雅湯も含む温泉のほとんどは無料で、24時間いつでも利用できる。ただし、海水パンツなどの水着を着用して入浴する必要がある。

 続いて足附温泉。切り傷、擦り傷などの外傷の他、筋肉痛、冷え性、痔、皮膚病に効能がある「外科の湯」として有名な温泉だが、友人はここもスルー。

 僕たちはゴツゴツした岩の多い未舗装の道を歩いた。途中で「山海の湯」と書かれた岩を発見。「手造り」の文字もある。山海の湯はもともと「ふなりっとの湯」と呼ばれていたそうだ。

 途中で、入浴するのにちょうどよさそうな場所を見つける。覗き込むと、岩に藻などがびっしり貼り付いて黒くなっていて、人によっては「汚い」と思うかもしれない。しかし、適温であれば入ってみる価値はありそうだ。

 友人はここもスルーして先へ進む。僕は彼の背中を追いかけた。そして、たどり着いたのは、「えっ? ここが温泉?」という場所だった。

「観光客はここまで来ないけど、地元の人たちはここを利用するんだよね」

 友人はそう言ってシャツとビーチサンダルを脱いで岩の上に置き、岩を伝って海へ入った。僕も彼に倣って海パン一丁になり、岩を伝ったのだが、運動神経というか敏捷性というか、そういうのに自信がないから、転んでしまいそうでちょっと怖い。素足の足裏から岩の感触が伝わってくるのは、初めての体験だった。

「ここの温度はちょうどいいよ。ただ、足場が滑るから気を付けて」

 友人の言葉は正しく、僕が足先を少し入れた海水は温かい。下半身を海水に浸すと、足元の岩がヌルヌルする。数歩歩くにも、岩と岩の隙間に足が挟まりそうになる。それでも、首の下まですっぽり浸かると気持ちいい。

 源泉から流れてくる熱湯と海水が混ざり合って適温なのだが、波がザバーンと押し寄せた後、冷たい海水の割合が増えて水温が下がる。この水温差を体験できるのも醍醐味だ。

 友人は沖まで泳いで行ったが、僕は泳ぎに自信がないので、岩場付近で温泉を楽しんでいた。そこへ家族連れがやって来た。小学生の男の子とその妹、お母さんだった。

 お母さん曰く、「人がいるのが見えたので、ここまで来たんです」。僕たちの姿が観光客に山海の湯を知らしめたようだ。

 友人がいろいろ説明すると、男の子が温泉に入り、妹とお母さんも恐る恐る入った。男の子は野趣あふれる温泉が楽しいみたいで、あちこち動き回る。妹は岩を走るフナムシを怖がっている。子どもたちの反応が可愛らしい。

 彼らはお父さんとはぐれたらしい。しかし、僕たちが山海の湯を出た頃、お父さんがやって来て無事に家族と合流したのだった。感動の再会を横目に、僕たちは次なる秘湯、地鉈温泉へ向かうことにした。

「車で移動するか、歩いて行くか、どっちがいい?」と言う友人に、僕は「歩きます!」と答えた。そんな僕たちは遊歩道を歩いたのだが、思った以上に距離がある。しかし、友人と語らいながらの移動は楽しい。海パン一丁の男2人がたどり着いた先には……。(後編へ続く)

コメント

タイトルとURLをコピーしました